GIS総合研究所設立趣意

1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災後、国土インフラ整備の重要性が地理情報システム学会の提言で政府関係省庁連絡会議が結成されました。この 基盤整備が急速に推し進められていたなか、バブル崩壊という戦後初めての右肩下がりの経済に遭遇し、高度成長期に貢献された皆様がかつて経験したことのな い負の時代に突入しました。しかし近年、衛星(GPS)を利用した位置情報インフラや時間情報も併せもって通信インフラ(モバイル)や高速通信が可能にな り今までの遅れを一気に取り戻す物理的環境は整ってきたわけです。この良き環境の中、GIS総合研究所をNPO(特定非営利活動法人)として立ち上げ、 2003年12月1日内閣府認証されました。熱き思いと地理・位置・時間情報を核とした空間情報の有益な利活用を目指し、日本社会への貢献を担う気持ちで す 。非営利団体として個人が大きいプロジェクトに取り組める環境を提供し共鳴していただける皆様と(共同、協働)できる研究所でありたいと願っています。地 理情報、位置情報、時間情報をもっと身近なサービスを中心とした事例に置き換え、使う側に立った視点での物づくりと認知を広めていくことが最も大切だと思 います。安全で快適な「住みたいまちづくり」を支援することが使命です。
                                  理事長 川添 博史

「コンピュータにできることはコンピュータにまかせ、人間にしかできないことを人間がするのが良い。」
上記のことばは、当たり前のことだと思いますが、なぜか川添理事長が感激されて、私に相談役になって欲しいと要請されました。そこで『人間にしかできない こととは何か』を考えてみました。それは、夢を見るすばらしい能力、イマジネーション力、想像力ではないでしょうか?しかもその夢を寝ても覚めても追求で きること、これこそ人間にしかできないことではないでしょうか?
ある人はスターになることや、大金持ちになることを夢見るでしょう。また宇宙を旅することを夢見る人もあるでしょう。またある人は小さな幸せを夢見るかも 知れません。すなわち、意識しても、また無意識のうちにも、夢を追い続けることができるのは、機械にはできない、人間にだけができることではないでしょう か?また人間は誰もが、幸せになることを夢見ています。アドラー心理学では、人間が幸せになるためには、①自分を好きになること ②人々を信頼すること ③共 同体に役に立っていると思えること、が必要だと主張しています。こんなにすばらしい折角の処方箋があるのですから、これに従って、幸せを夢見ることから始 めよう。
これからの日本を担う夢多き若者よ万歳!
相談役 真田英彦大阪大学名誉教授

NPO設立への想い
2002年11月14日
2002年5月11日土曜日。車で阪奈道路を走行中、渋滞に巻き込まれふと前方の風景に目を止めた。「生駒山に太陽が沈む、まさにその瞬間でした。51歳 という年齢が夕日と重なって見えこのまま自分の人生も日没を迎えるのかなあ・・と、ふと思ったんです」。
休み明けの13日(月)25年間勤めた会社に辞表を出した。
卒業後、大手ゼネコンを経て再就職した会社。GISやGPSを使ってシステム開発・販売をする従業員400人ほどの企業だった。入社5年目で支店長に昇進 し、単身赴任の転勤は20回を越えた。バブル不況が会社を襲う。「売上がすべて」という中で「売るのではなく、売れる仕組み作りが重要」と経営者に進言、 その結果が窓際に。私には夢があった。ライフワークでもある地理情報、位置情報システム(GIS)の研究だ。GISは、地図とコンテンツと位置情報を組み 合わせたシステムで、自治体など限られた業務に使われていたが、今ではカーナビ・マンナビ・防災・防犯など地域安全のコミニュケーションツールとして、あ らゆるシーンでの用途が期待されている。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災後、インフラ基盤整備の重要性が再認識された。この基盤整備が急速 に推し進められていたさなか、戦後初めての右肩下がりの経済に遭遇し、かつて経験したことのない負の時代に突入した。このような環境の中、GIS総合研究 所をNPOとして立ち上げ、2003年12月1日内閣府認証された。第一線で活躍する実務経験者、研究者たち。日々汗をかいて使命感に燃えている個人・団 体に技術的な支援ができればとの思いから大阪NPOセンターに入居した。「NPOでも欧米では国を動かす大きな力をもっています。我々のやろうとしている ことは、いわば日本型の新しい社会貢献活動です。」
私の好きな言葉「人生太く長く、生涯現役」
特定非営利活動法人(NPO)GIS総合研究所
川添博史